エッジにインテリジェンスを活用した交通システム

エッジにインテリジェンスを活用した交通システム
10月11日~15日、AEyeはドイツのハンブルグで開かれた ITS World Congress(ITS世界会議)に出展し、高度道路交通システム(ITS)向け4Sight™ LiDARセンサーソリューションを紹介しました。 ITSや自動料金徴収システム(ETC)のエンドツーエンドソリューションを展開するIntetra、3Dコンピュータビジョンを手掛けるSeoul Roboticsと共に、チームは交通公社やグローバルシステムインテグレーターのためのさまざまなITSアプリケーションを想定した先進的な長距離検知能力を実演しました。
ITSへの適用を紹介したショーの中で特に強調したのが、安全性、スマートシティ、コネクテッドインフラの3つです。
これらのポイントに対して私たちが着目した点は何か、またエッジにセンシングインテリジェンスを実装するアダプティブLiDARが実際に事故防止や交通渋滞の緩和、自治体のコスト低減の面でどのように役立つことができるのかについて、以下に説明します。
安全性
センサーを設置することで得られる先進的な検知能力を、下記のような様々な状況での安全性の向上に役立てたいと考えている企業は多く存在します。:
- 横断歩道管理― 交差点を監視しながら信号が変わるまでの充分な横断時間を確保します。
- 水平方向長距離トラッキング― 複数車線構成の200mを超える範囲において、各車線の全方向占有率や速度を検知します。
また、信号に近づく車両を追跡し、その車両が自身や他者を危険に晒すことなく交差点内を安全に通過できるように信号の切り替えをコントロールして充分な停止時間を確保します。 - 交通弱者(VRU)保護― 歩行者や自転車走行者などとの衝突に関連する危険を警告するなど、コネクテッドビークルに対して充分な警告を送信します。
スマートシティ
都市開発事業者は現在、次のような自律システムの計画も行っています:
- 遠隔操作で最終的な配送先まで低速走行で荷物を届ける、都市部での小型ラストワンマイル配送車。
- 箱および容器を検知して仕分けを行い、より高い処理能力を達成する倉庫管理/物流ロボット。
- 空いている駐車スペースを検知して手動運転車や自律運転車を誘導するセンサーネットワークを完備した、自動駐車施設。
- 橋や道路標識、電柱、歩道などのモニターやカウント、点検を行う都市/州政府向け資産管理システム。
コネクテッドインフラ
通信事業者が5Gの導入という大きな節目に差し掛かった今、モビリティ業界では5Gの持つ帯域幅の広さと低遅延性のメリットを車とインフラ間(V2I)や車同士(V2V)の通信に活かし、センサーが検知した重要なデータを道路上すべての関係者で共有するというニーズが高まっています。
また、交通管理では固定式のセンサーを導入することにより渋滞発生箇所の追跡や、走行できない車線のある工事区間をドライバーに通知することが可能となります。
さらに、下記のように活用することも可能です:
- 障害物や車線の走行規制といった重要情報のV2V通信での共有や、スマートインフラへのデータ送信(V2I)。
- 特にラッシュアワーなど、車両の迂回を促進して交通量を最適化。
- Apple、Google、HEREなどのマッププロバイダーに工事、事故、渋滞情報などをリアルタイムで提供し、推奨ルートを最適化。
- ルート決定前に自転車走行者へ危険情報を提供。
ITSの世界で3Dセンシングができることとは何でしょう?
ITSアプリケーションは多岐にわたりますが、知覚センサーに求められるものは似通っています。
すべてのITSアプリケーションは、オブジェクトリスト(クラス、位置、サイズ、タイムスタンプ、速度)を取得し、それらの情報を利用して交通の管理や都市計画を行います。
このとき、バックエンド側に最も高品質の情報を提供するための適切なテクノロジー選択はシステムインテグレーターの判断にかかっています。
これまで、システムインテグレーターが主に利用するのはカメラでした。
しかし、カメラは照度条件や天候によっては充分な性能を発揮できない場合があります。
近年では速度情報を容易に取得することが可能な、ITSへのレーダーセンサーの採用が検討されています。
しかし、レーダーには解像度が低いというデメリットがあり、特に遠くにある物体の分類が難しいため、照度条件や天候が悪いとカメラの機能を補うことができません。
カメラとレーダーの機能を補完するため、システムインテグレーターはLiDARセンサーをITS展開に活用し、明瞭さ向上と高分解能3Dデータの取得を実現しています。
LiDARは、リアルタイムに3D情報をポイントクラウドで提供する唯一の決定論的センサーです。
例えば物体の軌跡を把握するためのベクトルや速度情報など、ITSアプリケーションにおいて重要となるデータを素早く取得することができます。
もっと安全な未来を― 私たちのビジョン
しかしLiDARはどれも同じではありません。受賞歴を持つAEyeの4Sight™プラットフォームは、AI駆動のアダプティブLiDARをコアに据えた唯一のインテリジェントセンシングソリューションです。
ソフトウェア設定可能アーキテクチャを採用することで、どのようなITSアプリケーションでも最適にパフォーマンスをカスタマイズでき、設置高さや動作領域の要件にも柔軟に対応します。
そのため、システムインテグレーターや都市開発事業者は単一の4Sight製品を、高速道路の料金徴収から交差点管理、自動事故検知、逆走検知、工事区間の安全確保に至るまで、あらゆる用途に活用することが可能となります。
4Sightは、高精度の分類能力(車両タイプ/自転車走行者/歩行者など)で長期間の安定した信頼性を実現しながら、天候や照度条件をはじめとする様々な周囲環境の変化にも最適に対応します。
4Sightは、ヒヤリハットなどの危険な出来事についても質の高いデータを用いて、渋滞解消や効率性の高い都市開発に役立てることができます。
あなた自身の目で、確かめてみてください
AEyeは、12月7日~10日に米ノースカロライナ州シャーロットで開かれるITS America 2021 Annual Meetingに参加し、ブース#1321で製品の展示を行います。
会場では、私たちのアダプティブLiDARがスマートモビリティインフラの実現に貢献し、交差点管理や高速道路での料金徴収、自動事故検出機能を改善する仕組みについてご紹介します。
会場に来られませんか?会場へ来られない方のために、双方向通信で4Sightセンサーのバーチャル・デモンストレーションを予定しています。
AEyeの適応型4SightプラットフォームがあらゆるITSセンシングアプリケーションを進化させる方法についてご覧ください。
AEyeについて
AEyeは自律運転、先進運転支援システム(ADAS)、およびロボットビジョンなどのアプリケーション向けの次世代高性能LiDARシステムのリーディングカンパニーです。AEyeのソフトウェア駆動4Sight™プラットフォームは、決定論的AIを採用することにより、少ないデータ量でより効率的にインテリジェントな情報をキャプチャし、動くものすべてをより速く、正確に検知します。
AEyeは世界レベルで活躍する製造パートナーとの協力を通して、充分な安全性を確保しながら自律走行や部分的自動運転で求められる様々な性能および機能要件を満たすセンサーを提供しています。